• 1.中国産シナバー(辰砂)
• 2.産地の中国　貴州省銅仁市
• 3.形状や特徴
• 4.シナバー(辰砂)の動画

中国産シナバー(辰砂)

中国産のシナバーの原石です。
シナバーは硫化水銀を主成分とした鉱物で、不透明な赤褐色の塊状や透明度のある深紅色の菱面体結晶として産出します。
中国の辰州(現：湖南省近辺)で多く産出したことより辰砂と呼ばれるようになりました。

産地の中国　貴州省銅仁市

つづいて、産地。
こちらは、中華人民共和国の貴州省銅仁市産です。辰砂の名前の由来になった辰州(現：湖南省近辺)より西に位置します。
貴州省はボーキサイトなどの鉱物資源が豊富に存在する省でもあります。

日本でも産出し、西南日本を九州東部から関東へ横断する断層である中央構造線沿いに産地が分布しています。三重県や奈良県などは産出地として知られていました。

形状や特徴

形状は前述したように塊状や菱面体結晶で、こちらの貴州省産は、ドロマイト、水晶や石英と共に産出されます。
結晶自体は大きくありませんが、光沢があり高貴な色合いをしています。
粉末にすると紅色になる為、朱色の顔料としても使用され、日本でも古墳の石室に描かれた壁画に朱色の顔料として使われていました。
また、シナバーは、古来、水銀を製錬する為に使われている鉱物です。
空気中で高温(400〜600度)に加熱すると、水銀蒸気と亜硫酸ガス(二酸化硫黄)が生じ、この水銀蒸気を冷却凝縮させることで水銀を精製するができます。
中国の始皇帝が水銀を含む薬を不老長寿の薬として服用していたことが伝承されていますが、シナバーもこの霊薬の材料の一つです。

菱面体の結晶です。
濃い赤色をしており、結晶表面には光沢があります。

塊状の結晶です。
中央部分の塊状の結晶表面には光沢がありますが、下段部分の結晶には光沢がありません。

シナバー(辰砂)の動画

シナバー(辰砂)

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