スコレサイト/インド産

スコレサイト(スコレス沸石)
スコレサイト(スコレス沸石)は、スコレカイトはゼオライトグループに属するテクト珪酸塩鉱物です。
スコレサイトは通常、細い角柱をした細いスプレー状として成長し、多くの場合片側が平ら、末端は斜め、針の長さに平行な縞模様がみられます。
結晶は擬斜方晶系または擬正方晶系のように見え、断面は正方形である場合があります。
ブローパイプ(吹き矢)の炎に反応することからギリシャ語の σκώληξ(sko-lecks)の「虫」に因んで命名されました。
産地のインド マハーラーシュトラ州ナーシク市

つづいて、産地です。
こちらの産地は、西インドに位置するインドのマハーラーシュトラ州ナーシク市です。
このマハーラーシュトラ州にはゼオライト(沸石)系の石が多く産出され、スコレサイト以外にもスティルバイト(束沸石)やヒューランダイト(輝沸石)もあります。
アポフィライトの産出地としても有名です。
また、他にもマハーラーシュトラ州プネー県やブラジル、スコットランドなどでも産出します。
形状や特徴

つづいて、スコレサイト(スコレス沸石)の特徴です。
玄武岩の空洞に産出し、火山岩の変質によって二次鉱物として形成されます。
このような空洞は、成長に十分な空間があり、鉱物を豊富に含む流体が存在するなど、スコレカイト結晶の形成に理想的な条件を備えていることが多いです。
スコレカイトの結晶は通常は透明であり、透き通った白さを放ちますが、時には不純物の影響でピンク、黄色、緑色の色合いを示すこともあります。
結晶は半透明から透明であり、ガラスのような輝きから絹のような艶を放ちます。その硬度は5〜5.5であり、他の鉱物に比べれば柔らかいのが特徴です。
スコレカイトはその美しさと独特のクセから、鉱物収集家によって高く評価されています。
その複雑な形状から、宝石細工や宝飾品に広く用いられ、カボションにカットされ、磨きがかけられ、鉱物標本に繊細な装飾として取り入れられます。

こちらは、スコレサイト(スコレス沸石)の結晶の近影です。
白い石なので分かりづらいですが、角状の結晶が放射状に成長しています。
結晶面はガラス光沢で、光にキラッと反射して綺麗です。

こちらは、2本の太めのスコレサイト結晶の根元に短めの結晶が成長しています。
長い結晶の先端部分は平らになっており、多角形や四角形であることがわかります。

こちらは、スコレサイトと共生したアポフィライト(魚眼石)です。
立方体や六面体のアポフィライトで、スコレサイトと同様にガラス光沢を持ち、光にキラッと反射します。

いろいろなサイズのスコレサイトです。
放射状の様子や束になった様子がひとつひとつ異なります。アポフィライトの共生がアクセントになっています。
スコレサイト(スコレス沸石)の動画
インド産のスコレサイト&アポフィライトの動画です。
こちらのスコレサイト(スコレス沸石:Scolecite)は、アポフィライト(魚眼石:Apophyllite)が共生し、ともに透明や白濁した結晶をしています。
柱状の結晶がスコレサイト、立方体や六面体をした結晶がアポフィライトです。ともにガラス光沢を持ち、光にキラッと反射して綺麗です。
スコレサイト / Scolecite
和名:スコレス沸石
分類:珪酸塩鉱物(テクト珪酸塩鉱物)
モース硬度:5〜5.5
劈開:完全
断口:不平坦・脆い
光沢:ガラス光沢
結晶構造:単斜晶系
比重:2.3
産地:インドマハーラーシュトラ州ナーシク市
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【参考文献】
・wikipedia 「Scolecite」
(https://en.wikipedia.org/wiki/Scolecite) 閲覧日:2024年04月10日
・岩石と宝石の大図鑑―ROCK and GEM/誠文堂新光社
ロナルド・ルイス ボネウィッツ(著)・青木 正博(訳)ISBN:978-4416807002