ペリドット/アメリカ産

ペリドット(橄欖石)
ペリドットは、オリビン(和名: 橄欖石<かんらんせき>)という鉱物の一種であり、オリビンの宝石名として知られています。
ペリドットは主にマグネシウム、鉄、ケイ素、酸素を含む珪酸塩鉱物で、その色調は含まれる鉄分によって決まります。
一般的にペリドットは鮮やかな緑色をしており、黄色がかった緑色からオリーブ色、さらには茶色がかった緑色まで、さまざまな色合いが見られます。
鉄分の含有量が多いほど、色が濃くなる傾向があります。
また、ペリドットは緑色のみで産出される、数少ない宝石のひとつです。
産地のアメリカ アリゾナ州ヒラ郡サン・カルロス

つづいて、産地です。
こちらの産地は、アメリカ合衆国アリゾナ州ヒラ郡のサン・カルロスです。
サン・カルロス産のペリドットは、鮮やかな緑色が特徴で、明るいライムグリーンやオリーブグリーン色と表現されます。
比較的小さなサイズで発見されることが多いものの、インクルージョン(内包物)が少なく、透明度が高いのが特徴です。ただし、この地域の石にはクロマイト(クロム鉄鉱)と呼ばれる小さな黒い鉱物の内包物が含まれていることがあります。
良質のオリーブ色の結晶は、サン・カルロス産が多くを占めますが、他にもミャンマーやパキスタン、中国でも産出します。
形状や特徴

つづいて、ペリドットの特徴です。
サン・カルロスのペリドットは、通常、火成岩である玄武岩の溶岩流で発見され、特にサン・カルロス・アパッチ族インディアン居留地内にあります。ペリドットはこれらの火山岩中のカンラン石に富んだノジュール(小塊)として形成されます。
この写真に写っているペリドットも、黒色の玄武岩の中で密集して成長しています。

こちらは、ペリドットの結晶の近影です。
淡い黄緑色や黄緑色を小さな結晶が成長しています。
ペリドットは通常、塊状や粒状で産出されることが多く、この写真のものもほとんどが小さな塊状です。

こちらは、母岩である玄武岩です。
黒や灰色を帯びており、全体的に不透明です。表面はゴツゴツしていて、ザラザラとした肌触りがあります。

こちらには、複数のペリドットが並んでいます。いずれも塊状の玄武岩の中に含まれているのが確認できます。

こちらはペリドットのペンダントトップです。表面がミックスカットされており、光を受けてキラキラと反射します。
宝石やアクセサリーとして使用されるペリドットのほとんどは、マグネシウムを含む苦土橄欖石です。
8月の誕生石としても知られ、プレゼントとして人気があります。

こちらは、石鉄隕石の一種であるパラサイトの中に含まれるペリドットです。緑色の部分が橄欖石です。
橄欖石は地球上で多く存在する鉱物の一つですが、月の岩石や石鉄隕石にも含まれています。
ペリドットの動画
アメリカアリゾナ州産ペリドットの動画です。
こちらのペリドットは、玄武岩の中に濃淡のある黄緑色の結晶が成長しています。
結晶は小さな塊状をしており、表面はガラスのような光沢があり、光を反射してキラキラと輝いています。
ペリドット / Peridot
和名:橄欖石(ペリドットは橄欖石の宝石名)
分類:珪酸塩鉱物
モース硬度:6.5〜7
劈開:不完全
断口:貝殻状
光沢:ガラス光沢
結晶構造:斜方晶系
比重:3.3〜4.3
産地:アメリカ アリゾナ州ヒラ郡サン・カルロス
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【参考文献】
・wikipedia 「Peridot」
(https://en.wikipedia.org/wiki/Peridot) 閲覧日:2024年08月01日
・岩石と宝石の大図鑑―ROCK and GEM/誠文堂新光社
ロナルド・ルイス ボネウィッツ(著)・青木 正博(訳)ISBN:978-4416807002