ムーンストーン(月長石)/インド産

インド産ムーンストーン(月長石)
まず初めに、今回解説する「ムーンストーン」は鉱物名ではなく宝石名です。
ムーンストーンはアルカリ長石の一部に属し、結晶表面に光を当てると青色や白色に光るものです。
この光の反射が月の輝きに似ている為、和名では月長石と呼ばれています。
産地のインド タミル・ナードゥ州

つづいて、産地です。
南インドにあるインド タミル・ナードゥ州です。
ここでは、ムーンストーンの他にも同じ長石類のサンストーンや、アクアマリン、アメジスト等も産出します。
形状や特徴

ムーンストーン等の長石類は含む成分によっていろいろと分類され、複雑です。
一般的にムーンストーンはナトリウムに富むアルバイト(曹長石)とカリウムに富むオーソクレース(カリ長石)の中間種ですが、インド産ですと曹灰長石と亜灰長石によるものも多く発見されます。
色は乳白色やオレンジ色、グレーなどがあります。

つづいて、こちらはグレーのムーンストーンです。
写真ではわかりづらいですが、強い光を当てると表面が灰色に反射します。
この光の反射を「シラー効果(変色効果)」と呼び、長石の層が格子状に積み重なって結晶化し、光があたると層と層との間で光の干渉、反射が起き現れます。
見る角度により光の筋が動き、とても綺麗です。

こちらはオレンジ色のムーンストーンです。強い光を当てると表面が白色に反射します。

こちらはタンブル状のムーンストーンに金具を付けたペンダントトップです。光を当てると表面が白色に反射します。
ムーンストーン(月長石)の動画
こちらは、南インド産のオレンジムーンストーンの動画です。
光に透かして見るとぼんやりと光を透します。
また、強い光を当てると白いシラー効果が現れて綺麗です。
動画の後半部分にシラー効果の様子を撮影していますのでどうぞご覧ください。
ムーンストーン / Moonstone
和名:月長石
分類:珪酸塩鉱物
モース硬度:6〜6.5
劈開:完全
断口:貝殻状〜不平坦
光沢:ガラス光沢
結晶構造:単斜晶系
比重:2.5〜2.6
産地:インド タミル・ナードゥ州
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【参考文献】
・岩石と宝石の大図鑑―ROCK and GEM/誠文堂新光社
ロナルド・ルイス ボネウィッツ(著)・青木 正博(訳)ISBN:978-4416807002