世界各地で水晶は産出しますが、特に質の高いものが採れる地域として以下が挙げられます：

・ブラジル: 世界最大の水晶の産地で、特にアメジストやスモーキークォーツも多く産出します。
・マダガスカル: 透明度が高く、綺麗でクリアな水晶が産出されます。
・アメリカ(アーカンソー州): 高品質の水晶で知られ、透明度が高いことで知られています。
・スイス・フランス(アルプス山脈): アルプス水晶と呼ばれる透明度が高いものが多く採掘されています。
・日本(山梨県、長野県など)）: 水晶の産地として有名で、特に山梨県では装飾品や彫刻の材料として用いられてきました。
日本国内では、古くから「甲州水晶」として親しまれ、宝飾品の加工も盛んでした。

水晶は古代からさまざまな用途で使われてきました。古代ギリシャでは、「クルスタロス(氷)」という語源から、氷が固まったものと信じられていました。また、古代エジプトやメソポタミアでは護符や装飾品として用いられ、宗教的な儀式にも用いられていました。
現代では、その透明感と輝きを活かしてジュエリーや装飾品として広く使われています。また、ピエゾ電気効果を利用して、時計や電子機器の部品にも欠かせない存在です。特に、水晶振動子は、スマートフォンやコンピューターの中で安定した周波数を供給する役割を果たしています。

透明であるにもかかわらず、どこか神秘的な存在感を持つ水晶は、単なる装飾品を超えて、スピリチュアルな象徴でもあります。
また、人工的な合成水晶も20世紀以降に広く普及しましたが、天然の水晶の独特の美しさは依然として多くの人々を惹きつけます。人工水晶は工業用途において、品質や純度を調整しやすいため、高精度が求められる機器に使用されています。一方、天然水晶は「唯一無二の自然の芸術品」として、観賞用やコレクションにも人気があります。
科学的な用途とスピリチュアルな用途の両面を持つ点も、水晶が特別な鉱物であると感じることができます。

水晶には古来、「浄化」「癒し」「万能の強運石」といったスピリチュアルな効果があると云われています。例えば、透明であることから「心身を清める石」として広く信じられています。また、ネイティブアメリカンやアジアの文化では、瞑想や儀式での使用が一般的で、精神を安定させ、悪いエネルギーを取り除く効果があると考えられてきました。

クォーツ / Quartz
和名：水晶
分類：珪酸塩鉱物
結晶系：六方晶系
化学式：SiO₂
色：無色
晶癖：柱状
モース硬度：7
劈開：無し
断口：貝殻状
光沢：ガラス光沢
条痕：白
比重：2.7
透明度：透明〜半透明